写真)阪神・淡路大震災時の大正筋商店街
出典)神戸市
- まとめ
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- 震災の際に同時に気を付けなければならないのは通電火災。
- 家の外に避難する際はブレーカーを落とす、もしくは感震ブレーカーを設置すること。
- 切れた電線には絶対に触らず、異常があれば電力会社に連絡すること。
1985年の阪神淡路大震災では、火災によって7000棟を超える住宅が焼失した。この時「通電火災」という言葉が世の中に知られたが、その後も、東日本大震災、熊本地震など地震が発生する度に火災が発生している。9月6日未明に起きた北海道地震でも大規模な停電が起きたが、電気が復旧した際に気を付けなければならないのが「通電火災」である。以下、通電火災を起こさないためにすべきことを含め、震災時の注意点を記した。
1.漏電による火災防止のため、屋外に避難する時は分電盤のブレーカーを「切」にしてから外出すること。
内閣府の調査によると、東日本大震災における本震による火災のうち原因が特定されたものの過半数が通電火災だった。地震を感じたら、電気製品の電源をコンセントから抜くこと。家の外に避難する際は、急いでいても必ずブレーカーが切れていることを確認してほしい。
通電火災は、避難して無人の家屋で、電気が復旧したことで停電前まで使っていてスイッチがオンになった状態の電熱器具により可燃物が過熱されて発生する。例えば電気ストーブ、オーブントースター、観賞魚用ヒーターなどだ。
出典)内閣府
震災時にブレーカーを切る余裕がないと思う人は、「感震ブレーカー」の設置をお勧めする。感震ブレーカーは、地震時に設定以上の揺れを感知した時に電気を自動的に止める器具だ。慌てていると、重要なことを忘れてしまいがちだ。2次災害を防ぐ為に、設置の検討をしてもよいだろう。
出典)内閣府
出典)Panasonic
2.水に濡れた配線・電気器具、本体やコードに損傷のある電気器具は危険なので使用しないこと。
水は電気をよく通すため、水に濡れていると感電の危険性がさらに高まる。水に濡れた屋内配線や電気器具は、電器屋などで安全性を確認した後、使用するようにしたほうがよい。熊本地震の際には太陽光パネルの落下や破損は少なかったが、発電状態のまま浸水したためにショートした接続箱もあったそうだ。一歩間違えば、住宅全体の火災につながる危険な状況だった。まず接続箱のスイッチを切る必要があることを知ってほしい。そして、設備や配線が損傷した場合、素手で触ることは絶対に控えることだ。
3.感電事故未然防止のため、切れた電線には、近づいたり、触れたりしない。
切れた電線を触ると感電する危険がある。実際、2011年に神奈川県で台風によって切れた電線を触ったことでバスの運転手が感電死するという事故が発生している。この事故で運転手が亡くなったのはバスが運転できるように電線をどけようとしたことが原因だったようだ。電線が切れていても、絶対に触らないでもらいたい。
出典)中部電力
4.切れた電線など異常箇所に気づいたら電力会社に連絡すること
とにかく、電線が切れていたり、火花が飛んでいたり、異常な状況を発見したら電力会社か、消防署にすぐ連絡をしてもらいたい。それが原因で思わぬ事故や火災が発生することになるかもしれない。
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