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ためになるカモ!?

Vol.13 空気清浄機最前線 花粉と戦うために

写真)スギ花粉イメージ図
出典)flickr:photo by mayfly jpn

まとめ
  • 国民の3人に1人は花粉症を発症している。
  • 最新空気清浄機はイオンによる花粉無力化などアピール。
  • AI搭載モデル等も登場、多様な機能が消費者に受け入れられている。

くしゃみ、鼻水、目のかゆみ・・・つらい花粉症の季節がやってきました。日本の国民病ともいわれる花粉症の有病率は29.8%、15歳~50代では30%を超えており、3人に1人は発症しているとのデータがあります。(環境省「花粉症環境保健マニュアル」)。現在の医学では根治が難しく長い年月に渡ってつらい症状に悩まされる厄介な病です。そして今年、青森、岩手、宮城や東京、神奈川、愛知、奈良、島根、高知各都県の飛散量は去年に比べ“非常に多い”と予測されています。

図)2018年の花粉飛散量予測
図)2018年の花粉飛散量予測

出典)日本気象協会

そんな花粉症に必須な家電といえば、空気清浄機。花粉はもちろん、ウイルスやPM2.5などの除去ができる、とのうたい文句で消費者の関心を集めています。日本での空気清浄機の普及率は42.0%に達し、続々と最新機種が発表されています。(平成26年総務省統計局調べ、2人以上の世帯)今回は、そんな空気清浄機最前線をご紹介します。

弱点「効果が見えないこと」を克服

空気清浄機の最大の弱点は、効果が目に見えないこと。「本当に効いてるの?」という不安があるのも頷けます。しかし「空気の可視化」を実現したモデルがあるのです。

スウェーデンの空気清浄機専業メーカーであるBlueair(ブルーエアー)の空気洗浄機「Blueair Sense+」もその1つ。PM2.5や有害物質に反応し、空気の状況に応じて自動的に稼働するオートモード搭載。温度・湿度に加え、お部屋の有害物質の濃度などをスマートフォンで確認することができます。

写真)Blueair Sense+
写真)Blueair Sense+

出典)Blueair Twitter

また、粒子イオン化技術の組み合わせで空気中の汚れとなる成分を高精度に取り除く機能も搭載され、その性能は0.1マイクロメートル以上の微粒子を99.97%除去できるそうです。

空気清浄機+人工知能(AI)

一方の国内メーカー。シャープは、人工知能(AI)やクラウドを利用して、ユーザーの使い方や住居にあわせ運転を学習し自動でコントロールする機能を搭載したモデルを発売しています。

写真)SHARP KIHS-70
写真)SHARP KIHS-70

出典)SHARP

また、エアコンが暖房モードになると空気清浄機が自動で加湿するなど、エアコンと賢く連動し、ベストな環境を保ってくれます。お住まいの地域の天気や、花粉予報、空気清浄機の運転状況、お部屋の明るさ、人の在室/不在までアプリで確認することができます。

写真)天気、花粉予報モニター
写真)天気、花粉予報モニター

出典)SHARP

その他、運転時間、風量、センサー情報などを分析する機能もあり、フィルターなど消耗品の状況も確認できます。

図)消耗品の状況モニター
図)消耗品の状況モニター

出典)SHARP

面倒なフィルター掃除は?

空気清浄機のお手入れで最も大変なのが、フィルターの掃除。通常数週間に1度のフィルター掃除が推奨されていますが、お手入れを怠っている方は少ないくないはずです。

しかし、1年に1度のごみ捨てのみでOKという機能を搭載したモデルが日立から発売されています。自動お掃除ユニットがプレフィルターにホコリが溜まる前に、自動でキレイにしてくれるというのです。同様な機能はエアコンに先に搭載されましたが、めんどくさがりにはアピールする商品でしょう。

動画)HITACHI EP-LVG110

出典)HITACHI ウェブページ

イオン技術

大手メーカーは最新のイオン技術を用いて花粉を抑制する機能を搭載しています。パナソニックの“ナノイー”技術は、水に高電圧をかけて生成されたこの“ナノイー”と名付けられたイオンは、さまざまな物質に作用しやすいOHラジカル(高反応成分)を含んでおり、菌などのタンパク質を変性することで抑制する仕組みです。また、洋服に付着した花粉を無力化出来ることもアピール。花粉症に悩む消費者に受け入れられているようです。

図)ナノサイズの微粒子イオン(イメージ)
図)ナノサイズの微粒子イオン(イメージ)

出典)Panasonic

また、シャープもプラズマクラスターと名付けたイオンを発生させる機能を空気清浄機などに搭載、アレル物質(花粉、ダニのフン・死がいなど)、ウイルスや菌などの活動を抑制すると謳っています。更に不快なニオイの脱臭や美肌・美髪効果なども打ち出し、女性の購買層にアピールしています。

街の人の意見

では、実際に消費者はどう考えているのでしょうか?都内で街の声を聞いてみました。質問は以下の通り。

  1. 空気清浄機使っているか?
  2. 購入のきっかけは?
  3. どこの清浄機を使っているか?その理由
    Panasonic、シャープ、三菱、東芝、日立、ダイキン、dyson、その他
  4. 評価する機能は?
    清浄機能、価格、イオンなど抗ウィルス機能、加湿機能付
    その他意見。

10人中6人が空気清浄機を持っていると回答。

【持っていると答えた方の意見】

■ 50代 男性
妻が海外メーカーのものを購入。(海外メーカーのものは)どれも価格が高い。一番重視する機能は空気清浄機能。

■ 30代 女性
知人からPanasonicのものを貰った。フィルターの掃除、付け外しが面倒。自動掃除機能があったら便利なのに、と思う。

■ 60代 女性
猫を飼っているので(主人が神経質で)買った。孫も遊びに来るようになったし。ネットで口コミや値段を見ながら比較検討して購入しました。Panasonic(水を入れるタイプ)は加湿機能があるから良い。空気が汚れるとランプが赤くなって知らせてくれるから分かりやすい。

■ 40代 女性
花粉症なので購入した。ダイキンとSHARP2台の計3台を持っている。
加湿機能がついているのはいいが、ぬめりや埃などの掃除や手入れが大変。臭いも気になる。汚れはランプで知らせてくれるので、2週間に1回ほどフィルタ―掃除している。

■ 30代 女性(お子様連れの夫婦)
カビとPM2.5が気になってSHARPのものを購入。購入したものの効果は特に感じていない。お手入れも3ヵ月に1回程度しかしていない。

■ 30代 女性
花粉症で3年ほど前にSHARPのプラズマクラスターを購入。この機種を持っている友人の家に行ったときに、花粉症が楽になった気がしたので同じものを購入した。花粉症が少し楽になった気がする。フィルターを買い替えたり、お手入れは適宜行っている。

【持っていないと答えた方の意見】

■ 30代 女性(赤ちゃん連れ)
種類がたくさんありすぎてどれを買ったらいいか分からない。自宅の置き場所もない。価格も高いので購入に踏み切れない。

花粉を「元から絶つ」試み

さて、この辛い花粉症も、そもそも花粉が無くなればいいわけですよね?実は既に花粉が無い新品種のスギ「はるよこい」が富山県農林水産総合技術センター森林研究所により平成16年に開発されました。既に平成23年秋からさし木苗が配布され始めていますが、まだまだその数は少なく、大量の苗の安定生産が課題です。かくいう筆者もスギ花粉症。ゴールデンウィーク頃まで何とか乗り切りたいと思います!

写真)無花粉スギ 新品種「はるよこい」植裁から3年後の様子
写真)無花粉スギ 新品種「はるよこい」植裁から3年後の様子

出典)農林水産省

安倍宏行 Hiroyuki Abe
安倍 宏行  /  Hiroyuki Abe
日産自動車を経て、フジテレビ入社。報道局 政治経済部記者、ニューヨーク支局特派員・支局長、「ニュースジャパン」キャスター、経済部長、BSフジLIVE「プライムニュース」解説キャスターを務める。現在、オンラインメディア「Japan In-depth」編集長。著書に「絶望のテレビ報道」(PHP研究所)。
株式会社 安倍宏行|Abe, Inc.|ジャーナリスト・安倍宏行の公式ホームページ
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