- まとめ
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- 2019年、エネフロは創刊3年目を迎える。
- 2018年は頻発した災害関連の記事を多く掲載した。
- 今後も私たちの生活に密着した記事をお届けしていく。
2017年4月に誕生した「エネルギーフロントライン」(略して「エネフロ」)。2019年はいよいよ3年目に突入します。改めて初心に帰ろうと思い、創刊時に記した思いを今一度読み返してみました。
「今、我が国は太陽光や風力などの再生可能エネルギーの比率を高めようとしていますが、その実態はあまりよく知られていません。また原子力の今後はどうなるのか、意外とわからない人も多いと思います。それは様々な情報が断片的に伝えられ、錯綜し、どの情報を信じたらいいのかわからないからではないでしょうか?
そこで私たちは、エネルギーの最前線 = Frontline(フロントライン)を知ることにより、その役割と未来を見つめ直すためのメディアを立ち上げることにしました。エネルギーの今をわかりやすい言葉と写真や動画で解きほぐし、解説していくことを心がけます。読んで、観て、ためになる。「エネルギー」のすべてがワンストップでわかる。全く新しいコンセプトのメディア、Energy Frontline。略して「エネフロ」誕生です。
日本と世界のエネルギー事情を知ったり、省エネのテクニックを身につけたり、最新家電情報をチェックしたり…。私たちが生きていく上でなくてはならない『エネルギー』の情報が満載です。読者の皆さんと一緒にこの新しいメディアを育てていきたい。」
この想いは今も変わりません。編集長としてこれまで数々のテーマを取り上げてきましたが、2018年で印象に残ったニュースは、「今年の漢字」で1位に選ばれた「災」に表わされているように、列島を襲った数々の「災害」でした。
特に、2018年6月28日から7月8日にかけて、西日本を中心に北海道や中部地方など全国的に広い範囲で記録された台風7号および集中豪雨(気象庁命名:「平成30年7月豪雨」。メディアは「西日本豪雨」と呼んでいる)は、平成最悪の豪雨被害をもたらしました。河川の氾濫や洪水、土砂災害などにより実に200人超の方が亡くなったのです。
出典)国土交通省撮影
出典)内閣官房内閣広報室
そして、2018年9月6日には、北海道を震度7の地震が襲いました。(気象庁命名:「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」)。40名超の方が亡くなっています。
出典)国土交通省 北海道開発局
2018年、私たちは改めて自然災害の猛威を思い知らされました。なにより北海道で起きた道内全域停電は衝撃的でした。地震により苫東厚真火力発電所が緊急停止したことに端を発し、道内全域約295万戸が停電したのです。道内全域停電は1951年の北海道電力創設以来初でした。電気事業者の不休の努力は私たちの想像をはるかに超えるものだったでしょう。
数々の災害を受け、私たちは幾つかの関連記事を掲載しました。「『通電火災』に注意!災害時の注意点」はその一つ。大規模な停電が起きてその後電気が復旧した際に気を付けなければならないのが「通電火災」であることを喚起し、通電火災を起こさないためにすべきことを含め、震災時の注意点を読者の皆さんに伝えました。
出典)神戸市
2018年は台風も数多く列島を襲いましたが、その台風により送電設備が被害を受けている実態も紹介しました。それが、「台風の影響、こんな所にも 塩が停電を引き起こす?」です。台風が海から運ぶ「海塩粒子」が碍子(がいし)に付着すると停電の原因になること、そして、電気を安定的に届けるための対策として、「活線碍子洗浄」が電気事業者らによって行われていることを紹介しました。
電気の安定供給は電気事業者の使命です。停電を起こさないために、また、停電が起きた後いち早く電気を復旧させるためにどのような取り組みがなされているのか、読者の皆さんにお知らせすることはエネフロの役目の一つです。2019年も電気に関わる様々な人々、会社の取り組みを紹介していこうと思います。
そして今年、何といっても大きな話題は「2019年問題」でしょう。2009年11月に始まった「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」による太陽光発電設備(10kw未満)の設置後10年間の固定買取価格の保証期間を満了した人が出てきて生じる問題の事をいいます。買取期間が終了した電源については、法律に基づく電力会社の買取義務がなくなるので、
- 買取価格が大幅に下がる
- 売電ができない恐れがある
という問題が発生するわけです。
出典)pixabay
資源エネルギー庁は専用サイトを開設して、①自家消費 または ②相対・自由契約で余剰電力を売電することが可能なことを告知し始めました。
出典)資源エネルギー庁
この問題は、私たちの暮らしに大きな影響を及ぼす可能性が高いだけに、改めて紹介したいと思っています。
そして、原子力発電所の安全対策についても引き続き取材します。2018年11月に紹介した「原子力防災へのたゆまぬ努力 美浜原子力緊急事態支援センター」の記事は、電力供給事業者9社と日本原子力発電、日本原燃が、万一原子力災害が発生した場合でも、迅速に対応できるよう万全の支援体制を整備している実態を紹介しました。
出典)電気事業連合会
同センターは、被災現場を想定し、災害対応用ロボットなどを使った訓練を各電力事業者に提供している他、遠隔操作機材を使った事故対応、原子力防災に関わる知識を習得してもらうことを使命としています。恥ずかしながら、筆者も今回初めて訪れて、その重要性を是非読者の皆さんに知ってもらいたいと思い記事にしたものです。
©エネフロ編集部
テレビや新聞が大きく取り上げなくても、私たちは皆さんの生活に深く関わっているエネルギーの情報を今年もタイムリーにお届けします。エネフロは読者の皆さんと共に成長していきたいと思っていますので、ご意見を是非お聞かせください。2019年もエネフロのご愛読、どうか宜しくお願いいたします。
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