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ためになるカモ!?

Vol.27 「でんきの科学館」で夏休みの宿題は完結!

写真)プラズマボール
© エネフロ編集部

まとめ
  • 愛知県名古屋市の「でんきの科学館」を体験してきた。
  • 参加体験型の実験コーナーで自由研究は完結。
  • 老若男女問わず楽しめる知的な遊び場だ。

入場者を真っ先に出迎えるのは、気ままに放電するあやしい光・・・部屋いっぱいに色とりどりの光が交錯し、万華鏡のような不思議な空間が現れる。大小、並んでいるプラズマボールに手を触れると、ボールの中心から指先にプラズマが引き寄せられる。部屋の壁には鏡が張り巡らされており、異空間さながらだ。一体、ここはどこ?

写真) プラズマボールに触れる筆者
写真)プラズマボールに触れる筆者

© エネフロ編集部

今回訪問したのは、愛知県名古屋市の「でんきの科学館」。どんな場所か一言で言うと、ずばり「科学のびっくり箱」!大人も子供も楽しみながら「科学とふれあう」ことができる、まるでアミューズメントパークだ。

何故こちらを訪問したかというと・・・お子様のいるご家庭で必ず夏休みに訪れる、ある悩みを解消して差し上げよう、という企画が持ち上がったからだ。それが、小学生の夏休みの宿題のお約束、「自由研究」。毎年「テーマをどうしよう」とお悩みの方に朗報をお届けしたいという一心で不肖、編集長の私が体験してきた。

子供から大人まで、電気をはじめ、環境やエネルギーのことを楽しく学ぶことができると聞いて、早速駆け付けた。様々な角度から電気を知る「展示室」や科学を見て体験する「おもしろ実験」など、五感を使って楽しめる仕掛けが盛りだくさんだった。親子で楽しく取り組めるだけでなく、自由研究はここで完結!と納得。早速、ご紹介しよう。

館内を案内してくださったのは、館長の伊藤佳起さんとアテンダントの井口佳奈さんのお二人。

写真) 館長の伊藤佳起さん(右端)とアテンダントの井口佳奈さん(左端)
写真)館長の伊藤佳起さん(右端)とアテンダントの井口佳奈さん(左端)

© エネフロ編集部

プラズマボールの出迎えを受けウェルカムゲートを通り抜けると、体験型の展示物がずらり。「電気の発見」コーナーでは、「電気って何?」そんな素朴な疑問に答えてくれる。また、電気の歴史を辿りながら電気の基本を知り、「サイエンスプラザ」ではテーブルごとに楽しいゲームや不思議な現象を体験できる。幼児から小中学生まで、まんべんなく知的好奇心が満たされるようにしてあるところに感心。

写真) 電気の発見
写真)電気の発見

© エネフロ編集部

写真) 電気の旅
写真)電気の旅

© エネフロ編集部

次に訪れたのは、まるで映画館のような規模の「オームシアター」。撮影した自身の顔写真を組み込んでオリジナルキャラクターを作成し、様々なクイズやゲームが出来る。76名が同時に参加でき、大画面で迫力ある音と映像を楽しむことができるそう。子供たちに大人気。当日私たちは見ることが出来なくて残念!

図) オームシアター
図)オームシアター 図)オームシアター

出典) でんきの科学館

そしてオームシアターでは8月15日~18日までNight Museum(ナイトミュージアム)が開催される。通常開館が17時までのところ、20時まで延長、「見えない?!スタンプラリー」や「謎解きミステリー」「オームシアターの特別上映」など盛りだくさんのイベントに参加できるそうで、暑い夏の夜、でんきの科学館で楽しみながら涼むのも一興かも。

そしてやはり子供たちに人気なのが、実際に科学を体験できる2階のサイエンスプラザの「おもしろ実験(参加体験型実験)」コーナーだ。

写真) サイエンスプラザ
写真)サイエンスプラザ

出典) でんきの科学館

こちらでは特別な道具を使って様々な実験にチャレンジできる。当日は平日なこともあり、親子連れ一組だったが、我々取材班も飛び入り参加。小型発電機を手動で回して電気を起こし、タワーの電球を点灯させる実験や、電気の力でくっついた二つの電磁石を人の力で引き離すことができるか試す実験を体験。大の男二人がやっきになっても磁石を引き離すことはできませんでしたが(笑)。一緒に参加してくれた女の子も興味津々。

写真) 小型発電機を手動で回して電気を起こしタワーの電球を点灯させる実験
写真)小型発電機を手動で回して電気を起こしタワーの電球を点灯させる実験

© エネフロ編集部

写真) 電磁石を人の力で引き離すことができるか試す実験
写真)電磁石を人の力で引き離すことができるか試す実験

© エネフロ編集部

もう一つの実験は、モーターで動くブラシ(たわし状のもの)を作るもの。その名も「ブラッシー」(笑) 実際に子供たちが電池やモーターをブラシにくくりつけて完成させる。電気でモーターが回り、動力に切り替わってブラシが動く様子を観察できる。早速、テーブルの上で動かしてみた。(動画参照)

動画) タワシの実験

その他にも「静電気の実験」、「超電導の実験」、「光と放射線の実験」など数多くの実験があるが、これらすべて科学館のスタッフが考えているというから驚きだ。

最後に紹介するのは、「Eアカデミアシアター」で見ることができる、大迫力のプロジェクションマッピングを中心に構成された参加型ステージ。進行役のアテンダントさんが、様々な発電方法を組み合わせたエネルギーミックスや環境問題などを分かりやすく説明してくれる。

動画) プロジェクションマッピング

1986年に開館した「でんきの科学館」、実は中部地方の電気事業発祥の地という由緒あるところに建っている。中部電力株式会社の前身である名古屋電燈会社の石炭火力発電所(発電機ドイツ製,出力25kW×4台)があった場所だ。1889年(明治22年)12月15日、この発電所でおこされた電気が初めて名古屋市内に送られたという。

これまでの入館者数1,500万人を達成(2016年)、小中学校を中心に団体の入館も多く、愛知県だけでなく近隣の県からの来場も多い。子供だけでなく、大人も楽しめる知的な遊び場だ。実は大人のカップルにも人気との情報も。この夏、一度覗いてみたらいかがだろうか。

でんきの科学館へいってみよう!

© でんきの科学館

安倍宏行 Hiroyuki Abe
安倍 宏行  /  Hiroyuki Abe
日産自動車を経て、フジテレビ入社。報道局 政治経済部記者、ニューヨーク支局特派員・支局長、「ニュースジャパン」キャスター、経済部長、BSフジLIVE「プライムニュース」解説キャスターを務める。現在、オンラインメディア「Japan In-depth」編集長。著書に「絶望のテレビ報道」(PHP研究所)。
株式会社 安倍宏行|Abe, Inc.|ジャーナリスト・安倍宏行の公式ホームページ
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