- まとめ
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- COOLBIZが今年も始まったが、エアコンの使い方にかなり誤解がある。
- 室温が28℃になるようリモコンの設定温度を調節することや、長時間「つけっぱなし」にしない様にすることが大事。
- 10年以上同じエアコンを使っている人は買い替えの検討も。
梅雨明けの季節、毎年必ずと言っていいほど出てくるこの話題。そう、「エアコンつけっぱなしは本当にお得なの?」です。
まず、夏のエアコンの設定温度。大体皆さんは「室温28℃」という数字が頭に入っているのではないでしょうか?小池都知事が環境大臣だった頃、COOLBIZが始まったんでしたね。2005年のことです。
最初は、「え~28℃かぁ、それじゃちっとも涼しくないよ・・・」と思った人も多かったでしょう。しかし、東日本大震災後、省エネ意識がさらに徹底され、今では違和感なく社会に受け入れられている、と思っていました。無論、環境省も推奨している温度だと思っていたのです。
しかし、今年5月11日、政府の副大臣会合において、かつて環境省でCOOLBIZの導入に関わった盛山正仁法務副大臣がCOOLBIZで推奨される冷房の温度について、「科学的知見をもって決めたのではない。何となく28℃という目安でスタートして、それが独り歩きした」と発言し「えっ、そうなの!?」と私も目が点になったものです。
そこで環境省のCOOLBIZのHPを見ると、《どうして「28℃」?》と大きく説明が掲載されているではないですか。
曰く、
「28℃」という数値はあくまで目安です。必ず「28℃」でなければいけないということではなく、冷房時の外気温や湿度、「西日が入る」などの立地や空調施設の種類などの建物の状況、室内にいる方の体調等を考慮しながら、無理のない範囲で冷やし過ぎない室温管理の取組をお願いする上で、目安としているものです。
例えば、冷房の設定温度を28℃にしても、室内が必ずしも28℃になるとは限りません。そういう場合は、設定温度を下げることも考えられます。
そう、「28℃」は「室温」で、エアコンの「設定温度」ではないんですね。これ、意外と盲点なのかもしれません。誤解している人がすべての年代で半数以上、との調査結果も出ているのです。(図1)
さて、本題の「つけっぱなし」ですが、結論から言いますと「ケースバイケース」ということになります。
まずは「つけっぱなし」がダメな場合を列挙すると:
- 外出が長い ✕
- 設定温度を低くしすぎ ✕
- 風量を“弱”にしている ✕
ということのようです。
まず 1 の「外出時間」。例えば共働きで12時間以上家に誰もいない家庭など、そもそも日中付けておくのはさすがに無駄になる、ということです。
2 のエアコンの「設定温度」ですが、これも22度とかにしておくと冷えすぎてやはり電気代がかかる、という単純な話です。
3 の「風量」ですが、基本的にエアコンは立ち上がり時点で室内の温度を一気に設定温度まで下げようとしますので、その際に最大電力を使います。風量を「弱」にしておくと室内温度を下げるのに時間がかかってしまいますから、風量を急、強、中、弱、と段階的に切り替えてくれる「自動」がいいようです。
そしてもっと根本的な事があります。
- 機種が古いと省エネ性能が悪い。
- フィルターにほこりがたまっていると性能が落ちる。
という点です。まず、 1 の機種の問題ですが、20年前のエアコンと今のエアコンを比較してみると、なんと消費電力量は約44%も減っているのです。(図2)2005年から2015年の10年間でも約9%下がっていますから、(図3)お使いのエアコンの使用年数を調べてみるといいでしょう。(資源エネルギー庁調べ)また、エアコンを最新機種に変えれば電気代が下がるばかりでなく、CO2の排出も削減されますから、地球温暖化防止にも一役買うことになりますね。
参考)経済産業省 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ」
出典)経済産業省 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2016年夏版」
2 のフィルターですが、お掃除、本当に面倒くさいですよね。でも、フィルターの清掃前と清掃後で比較すると、年間で31.95kWh(約860円)の節約になるといいます。(資源エネルギー庁調べ)こまめな掃除(2週間に1度のお手入れが推奨されています)を心がけるか、最近では“自動お掃除機能”搭載モデルもありますから、買い替えの時に考慮してもいいかもしれません。
さて、次回の「ためになるカモ!? vol.7」では家族や地域で“涼”を分かち合う「クールシェア」についてお話します。みなさん、この夏、熱中症には十分お気を付けくださいね!
- 参考)
- 家電製品の買い替え時に新製品と旧製品の性能を比較できるサイト
省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」
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