写真) 防災グッズ(イメージ)
出典) 写真AC
- まとめ
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- 9月1日は「防災の日」。災害に対する「備え」を呼びかける日。
- 様々な工夫を凝らした非常用保存食や防災グッズが販売されている。
- ウィズ・コロナの時代、オンラインでの防災情報発信も活発化。
9月1日は何の日?
9月1日は「防災の日」。1923年9月1日に関東大震災が発生したこと、また9月にかけて台風の被害が多く発生することから、1960年の内閣閣議了解により、災害に対する認識を深め、災害に備える心構えを呼びかける目的で制定された。1982年からは、9月1日を含む一週間を「防災週間」と定め、各地で防災意識を普及させるための行事や訓練などが行われる。
改めて防災について考えてみよう
今年も7月に日本各地で集中豪雨が発生し、九州地方を中心に大きな被害が出た。また酷暑が続く中、短期間で猛烈な雨をもたらすゲリラ豪雨も頻発している
出典) 球磨村役場Facebook
現在も新型コロナウイルス感染拡大によって私たちの日常生活は変化を余儀なくされているが、地震はいつ、どこで起きてもおかしくない。ウィズ・コロナの時代を迎えた今、もう一度防災について考えてみたい。
最低限必要な防災グッズとは
災害による被害を抑えるために大切なのが日ごろからの備えだ。例えば避難が必要になった時のために、予め持ち出すものを準備することも「備え」の一つだ。
ここでは、災害の「備え」チェックリスト (首相官邸)、非常用持出品チェックシート (消防庁)を参考に、最低限必要な防災グッズを挙げてみた。
<避難用具>
懐中電灯
携帯ラジオ
予備の乾電池
携帯充電器
ヘルメット・防災ずきん
救急用具
<生活用品>
厚手の手袋(軍手)
毛布
ライター・マッチ
ナイフ
携帯用トイレ
洗面用具
<食料品>
飲料水
非常用保存食
<衣類>
衣類(長袖・長ズボン)
下着・靴下
防寒用ジャケット
雨具
<感染症対策>
マスク
消毒用アルコールまたはジェル
石鹸・ハンドソープ
ウェットティッシュ
体温計
<貴重品> 避難の際に一緒に持ち出すもの
現金
預金通帳
印鑑
保険証
免許証
従来の防災グッズに「感染症対策」グッズが加わっている事にお気づきだろう。ウィズ・コロナの時代、マスクや消毒用アルコール、体温計などが備えられているか確認してほしい。
そして備えに欠かせないのが非常用保存食。それぞれ賞味期限が設けられているので、定期的に確認し新しいものに入れ替える必要がある。備蓄している内に賞味期限が切れてしまった、というのはよくあること。普段から食材や加工品を買っておき、使った分を買い足すことで、常に一定量の新しい食料を備蓄しておくやり方を「ローリングストック法」と言う。食料のみならず、カセットガスボンベやアウトドア用固形燃料などを備蓄している人はこの方式で保管すると良いだろう。
出典) 日本気象協会
最新防災グッズ こんな便利なものも!
とても便利な非常用保存食だが、「バサバサしている」「おいしくないのではないか」というイメージが定着している。「普段食べているものがそのまま缶詰になったらいいのに・・・」と願っている人もいるだろう。
そこで、今までとは違う発想で生まれた非常用保存食を紹介しよう。そう、おなじみ、牛丼だ。これまでもレトルトの牛丼の具はあったが、ご飯と別々であたためなければならなかった。「牛丼そのものが缶詰になり、常温でも食べられたら」という発想で開発された。
大手牛丼チェーンが開発したこの牛丼缶詰は、2019年5月の販売開始直後、注文が殺到し一時期在庫切れになるほど話題となった。鍵となるコンセプトは、「日常でも楽しめる非常用保存食」ということだろう。
出典) 吉野家Facebook
また、外国からの観光客増加に伴い、非常用保存食も様々な文化に対応することが求められている。イスラム教徒は豚やアルコール類を口にすることが禁じられているが、イスラムの教えに準拠した「ハラール」と呼ばれる非常用保存食も開発されている。
ハラール対応の和食を中心に製造している食品メーカーが、少量の水(雨水でも可)と加熱剤で温めることが出来る、「ハラール対応災害用備蓄食」(商品名)を販売している。イスラム教徒にとってハラールの備蓄用食品があるのは安心だ。
出典) 日乃本食産株式会社
防災グッズの新顔
食品以外にも目を向けてみよう。避難所では仕切りが設けられていない所も多く、プライベート確保が大きな問題となっている。集団で生活する避難所内で、せめて就寝時だけでもプライバシーを確保できたら安心して睡眠がとれるはずだ。
そんな願いを叶える為に、災害時に便利な1人用テントが開発された。1人用テントは従来からあるが、この商品は、横向き縦向き、どちらでも使用できる。避難所での就寝用、非常トイレ用、着替え用など、応用が効くのが特徴だ。
出典) 株式会社ブレイン
さて、避難時の必需品といえば「充電器」。スマホなどから得る最新情報が身を守る鍵となる。手回し型、ソーラー型など様々な種類があるが、もっと簡単に充電できたら、という発想で開発されたのがこちら。
なんと、水だけでスマホの充電が出来る代物。「マグネシウム空気電池」という電池の一種だ。備え付けられた発電用の塩にコップ一杯分(285ml)の水道水や雨水、風呂の残り湯などを加えると、スマホ2台分の充電が可能になる。5年間の長期保存が可能であり、停電時に重宝しそうだ。
出典) 藤倉コンポジット株式会社
次は浸水対策用グッズ。集中豪雨などの水害時は家屋への浸水を防ぐために「土のう」が広く使用される。しかし、土のうは備蓄スペースの確保が必要なうえに、設置に人手を要する。都市部では、中に詰める土砂が手に入りにくいという問題点もある。そのような難点を解決する為開発されたのが「給水型の土のう」だ。
給水前は薄い布のようなコンパクトサイズなので、収納スペースをとらない。水を加えると2分程で16kgまで膨らみ、使用後は専用の脱水剤を振りかけることで水が抜けるようになっている。処分が簡単なので、災害時のボランティア活動も効率が上がるだろう。
出典) まいにち株式会社
断水が起きて真っ先に困るのは、飲み水やトイレ、シャワーなど、水の確保だ。ここで見落としがちなのは「歯磨き」である。毎日欠かせないことであるが、水を使わずに歯磨き・・・想像しただけでも難易度が高そうだ。
そこで、指で歯磨きができる「指サック型の歯磨きシート」が開発された。指に装着して使用できるため、災害で水が使えない時でも簡単に歯を磨くことができる。この製品は医療機関や介護施設でも使用されている。
出典) 株式会社本田洋行Facebook
今、改めて持ちたい防災意識とは?
各自治体や関係機関は例年、「防災の日」に合わせて防災啓発イベントを行っていたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で多くが開催中止になってしまった。代わりに活発になったのがオンライン上の情報発信だ。
例えば東京消防庁は7月から公式Twitterで、人気ゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」を通じて防災情報を発信している。より多くの人に防災情報が届く効果が期待できそうだ。
出典) @Tokyo_Fire_D
今回は防災グッズを中心に紹介したが、災害へ備える方法は防災グッズを用意することだけではない。避難経路や家族の安否確認方法の検討、家具の配置の点検など私たちができる「備え」は他にも色々ある。以前の記事で紹介した「ハザードマップ」の確認も行いたい。「防災の日」をきっかけに、災害への備えを今一度見直してみてほしい。
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