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編集長展望

Vol.24 若手社員に聞いた「ウィズコロナ時代 の働き方とエネルギーについての意識」(働き方編)

画像) ぱくたそ

まとめ
  • 現在週に1日以上テレワークを行っている若手社員は約47%。
  • テレワークの高い満足度の理由は業務効率化と通勤時間の短縮。
  • 出社とテレワークを組み合わせた働き方を望む人が約55%。

エネフロ編集部は「ウィズコロナ時代の働き方とエネルギーについての意識」を知るため、若手社員(新入社員~入社5年目)を対象に、オンライン上でアンケートを行った。

新型コロナウイルスの影響で私たちの日常は大きく変化したが、働き方もその一つだ。今まで聞きなれない「テレワーク」や「リモートワーク」といった新たな働き方への適用を余儀なくされ、苦労した反面、新たな気付きを得た人も多いのではないか。

これからの働き方を考えるうえで、今後の社会を担う若手社員の考えを知ることは重要だ。特に新入社員は、「ウィズコロナ時代」の働き方しか体験していないからこそ、斬新な考え方を持っているかもしれない。そんな考えから今回アンケート調査を行った。

【アンケートの目的】
ウィズコロナ時代の働き方の現状や、若手社員が「働き方」についてどのような考えを持っているのか明らかにする。

【アンケート概要】
対象者:新入社員~入社5年目までの若手社員
実施期間:2020年7月23日〜9月16日
実施方法:Webアンケート
回答者数:51名

【アンケート内容】
現在の業務の実施形態(テレワーク、出社)を選択してもらい、「テレワークを行っている」と回答した人には、テレワークの割合、満足度、メリットやデメリット、サポート体制について聞いた。
また今後、自分や周りの人の「理想の働き方」に関する考えを回答してもらった。

【アンケート結果】
以下、アンケート回答より全体傾向の分かる質問・回答項目を抜粋してまとめる。
全質問項目ついては末尾の質問項目一覧参照。

1. 現在の業務の実施状況

現在の業務の実施状況

まず現在の業務の実施状況を聞いたところ、およそ半数の47.1%が「週5日出社」していると回答した。テレワークと出社を組み合わせている人は約25%で、全ての業務を「テレワークで行っている」と回答した人は21.6%だった。

2. テレワークの満足度

テレワークの満足度(1)

テレワークを行っている人にテレワークの満足度を聞いた。テレワークについて「とても満足」「やや満足」と回答したのは全体の約65%にのぼり、半数以上がテレワークに満足していることが分かった。

テレワークの満足度(2)

「とても満足」「やや満足」と回答した人に、その理由を回答してもらった。テレワーク導入のきっかけとなった「(新型コロナウイルスの)感染リスクが避けられる」を選択した人はわずか6.3%だった。それよりも「通勤時間が節約できる」「テレワークの方が生産性が上がった」など、テレワークによる生産性向上が高い満足感に繋がっていたことが明らかになった。

「やや不満」「不満」と回答した人は、「仕事のモチベーションが上がらない」、「仕事について先輩や上司に気軽に相談できない」、「同期や先輩、後輩との交流が減る」ことを不満の理由として挙げた。

写真) ミーティング(イメージ)
写真)ミーティング(イメージ)

出典) PxHere

3. テレワークのサポート

テレワークに対するサポートとして、「Zoom飲み会」などオンラインでの社内交流会、「テレワーク手当」、「定期的なオンラインミーティング」などが挙げられた。一方で「テレワークに対するサポートがない」とした人が回答者の約3分の1を占めた。

4. これからの働き方

こうしたテレワークに対する現状を踏まえて、若手社員は今後どのような働き方を望んでいるのか。今後取りたい勤務形態を回答してもらった。「出社が中心」と回答した人は27.5%、「テレワークが中心」は17.6%、「テレワークと出社を組み合わせる」と回答したのは全体の半数を超える54.9%だった。約7割の若手社員は今後も何らかの形でテレワークを続けたいと考えているようだ。

勤務形態

それぞれを選択した理由について回答してもらった。

出社中心を選択した人からは、飲食、保育、福祉などのサービス業や現場作業が必要な仕事に従事しており、業務の性質上出社が不可欠だという意見が寄せられた。また入社2~3年目の若手社員からは「右も左もまだわからないから上司に色々指導してもらいたい」という声が上がった。

テレワークを支持する意見としては「会議をやるためだけに会社に行くのは無意味だと思う」「通勤時間の節約になる」など業務効率化につながるという声が多かった。また「対人関係によるストレスが減る」、テレワークでライフスタイルに合わせた働き方が可能になるという意見や「地方に人を分散し、地域のビジネスチャンスに関心を持つことにつながる」といった回答があった。

一方、テレワークによってコミュニケーションが取りづらくなるという懸念も大きい。「不明点があった際にすぐ聞けないのは不便」「対面での交流から生まれるアイデアがなくなってしまった」という意見があるように、リモートによるコミュニケーションに難しさを感じている人も多いようだ。

テレワークと出社を組み合わせる勤務形態を選んだ人が半数を占めたのは、業務効率化とコミュニケーションのバランスを重視した結果なのではないか。

写真) テレワーク(イメージ)
写真)テレワーク(イメージ)

出典) ぱくたそ

5. まとめ

もともと新型コロナウイルスの感染症拡大を防ぐために導入されたテレワークだったが、実際導入してみると、仕事の効率化や通勤時間の短縮に繋がるなど、感染拡大防止以外の効果も大きいことが明らかになった。新型コロナウイルス感染症拡大収束後も、テレワークが新たな働き方として定着することが期待できそうだ。

一方でテレワークの問題点も徐々に分かってきた。テレワークでは上司や同僚とコミュニケーションを取るハードルが同じ職場で働いている時よりも高くなる。またサービス業など対面でのコミュニケーションが必須な職業は導入が難しい。程度に差はあるが、今後も職場に行って顧客や同僚とコミュニケーションを取る機会は必要だろう。

出社とテレワークにはそれぞれメリットとデメリットがある。両者の良いところを一人一人の生活スタイルに合わせてバランス良く配分できれば、より良い働き方に繋がるのではないか。

アンケート質問項目

Q1 あなたの年次を教えてください
①新入社員
②入社2~3年
③入社4~5年

Q2 現在の業務の実施状況についてあてはまるものを選んでください
①テレワークで行っている
②テレワークと出社1~2日
③テレワークと出社3~4日
④週5日出社
⑤その他

【Q3.4.5はテレワーク(オンライン)で業務を行っている方のみお答えください】→その他の方はQ6へ

Q3 テレワークの満足度について、あてはまるものを選んでください
①とても満足
②やや満足
③どちらとも言えない
④やや不満
⑤不満

Q4 Q3で①②と答えた方、あてはまる理由は?
①感染リスクが避けられるので安心
②通勤時間が節約できるのが嬉しい
③テレワークの方が生産性が上がった
④その他

Q5 Q3で④⑤と答えた方、当てはまる理由は?
①仕事のモチベーションが上がらない
②仕事について先輩や上司に気軽に相談できないので不安
③同期や先輩、後輩との交流が減るのが困る
④その他

Q6 あなたの職場で現在実施している「テレワークのサポート」があれば教えてください。
ex) ・「オンライン飲み会」を実施し、新入社員とそれ以外の社員の交流の機会を設けている・悩みを電話やメールで相談できるホットラインが利用できる・テレワーク手当が支給されている、等

Q7 今後のあなたと周りの人の勤務形態について、一番良いと思うものを選んでください
①出社が中心
②テレワークが中心
③テレワークと出社を組み合わせる
④その他

Q8 Q7を選んだ理由を記述してください

安倍宏行 Hiroyuki Abe
安倍 宏行  /  Hiroyuki Abe
日産自動車を経て、フジテレビ入社。報道局 政治経済部記者、ニューヨーク支局特派員・支局長、「ニュースジャパン」キャスター、経済部長、BSフジLIVE「プライムニュース」解説キャスターを務める。現在、オンラインメディア「Japan In-depth」編集長。著書に「絶望のテレビ報道」(PHP研究所)。
株式会社 安倍宏行|Abe, Inc.|ジャーナリスト・安倍宏行の公式ホームページ
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