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出典) Pixabay
- まとめ
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- 犬と猫の飼育頭数は、およそ1,800万頭。市場規模は約5兆円。
- 犬猫飼育頭数横ばいの中、コロナ禍でペットに癒しを求める人も。
- 飼い主がコロナ感染症にかかったときや、熱中症や災害時の対応など、飼う前の心構えが大切。
皆さんは国内の犬と猫の飼育頭数を知っているだろうか?推計で犬猫合わせて約1,800万頭もいるといわれている。近年では飼いやすさからか、猫の方が増えているとの見方もある。
こうしたペットの関連市場規模はどのくらいなのだろう?
関西大学の宮本勝浩名誉教授が、2020 年コロナ禍のペット市場の経済効果について試算した結果、「アベノミクス」にちなんで命名された「ネコノミクス」と「イヌノミクス」を合わせて、約5兆円に上るという。内訳は、「ネコノミクス」約2兆824億円、「イヌノミクス」が約2兆8,995億円と算出した。かなりの規模である。
かわいい、癒される、生活が充実する。ペットは人にそうしたポジティブな影響を与えてくれる。コロナ禍で孤独を感じ、ペットを飼おうと思う人が増えてもおかしくはない。
一方で、ペットは、日々の食事や排泄、定期的な通院など、想像以上にさまざまな世話とお金が必要だ。そうしたことを意識せず、飼い始めると、やがて飼育放棄に繋がってしまうのではないか。そんな懸念もある。
犬、猫の「引き取り数」というものがある。飼い主がなんらかの理由で動物愛護センターなどに持ち込んだり、棄てられて保護されたりした犬猫の総数だ。年々右肩下がりに減ってはいるものの、依然、犬猫あわせ85,897頭もの犬猫がセンターに引き取られている(2019年)。背景には安易にペットを飼い始め、「引っ越すから」、「子供が飽きたから」、「年を取って面倒をみるのがしんどくなったから」など、飼い主の身勝手な理由による「飼育放棄」がある。
出典) 環境省
コロナ禍で飼育頭数が増え、将来的に飼育放棄が増加するようなことがないようにしなければならない。ペットと共生するために知っておきたいことをいくつか紹介したい。
© エネフロ編集部
留守中のペットの世話
飼い主が外出しなければいけない時、気になるのはペットの様子。そこで、見守りカメラの出番だ。最近の機種はハイテクなものが多い。
出典) 新鋭株式会社 ECサイト
例えば、動き回るペットの姿を確認するために自動追跡機能がついている機種もある。また、双方向での音声会話が可能なものもあり、飼い主が呼びかけることも、ペットの鳴き声も確認することもできる。外出時にペットの様子が気になる人は検討するといいだろう。
飼い主が感染したら
さて、あなたが一人暮らしでペットを飼っているのなら、一番の心配は、自分が新型コロナウイルスに感染したらペットをどこに預けたらいいのかという問題だろう。いつ感染するかもしれない中、事前に準備しておくことが大切だ。
まず私たちがPCR検査で陽性になったら、指定病院や宿泊施設で療養することになる。その間、ペットの世話をしてくれる家族がいなければ、知人かペットホテルに預けることになる。
東京都福祉保健局が、「ペットを預けるための準備のポイント」をまとめているので参照して欲しい。ペットを飼うということは、こうした責任が伴うということを改めて考えさせられる。
出典) 公益社団法人 東京都獣医師会
ペットの熱中症対策
出典) Pixabay
これから熱中症に気をつけなくてはいけない季節に入る。ペットの熱中症対策にも十分に気を配りたい。特に外歩きの多い犬の方が熱中症にかかりやすい。
一般財団法人日本気象協会が、2019年に行った「飼い主に聞いた「愛犬の熱中症」に関する調査」によると、愛犬の4分の1に熱中症経験があり、屋外だけでなく屋内でも熱中症になること、飼い主の5人に1人が、愛犬が熱中症にかかった場合の応急処置方法を知らない。
屋外では熱中症予防グッズを持ち歩く、屋内ではエアコンの設定温度を低めに設定することなどが推奨されている。「クールビズ」28度というのが一般的に知られているが、ペットの年齢や体調などによって、適正な室温は異なるので獣医師に相談すると良い。
また、日本気象協会が「イヌ・ネコの熱中症予防対策マニュアル」を日本獣医師会の加盟病院で配布しているので参考にしてみたい。
出典) 日本気象協会「熱中症ゼロへ」
ペットの災害対策
これからの時期、自然災害によって避難を余儀なくされるケースも出てくる。避難所には動物が苦手な人やアレルギーを持つ人がいる可能性もあり、ペット同行を巡ってトラブルになるケースや、ペットを持つ人が避難をためらってしまうケースもある。
ペットを飼う家庭が災害に備えてどのような準備、心構えを持つべきなのか。
まず人間と同じように、避難所の場所や避難経路の確認、常備薬を含めた防災グッズを準備しておきたい。避難する時には、同行避難(=ペットと共に避難すること)ができるよう、日頃から「キャリーバック」や「ケージ」を用意し、中に入ることに慣れさせておくことも重要だ。
「ケージ」や「サークル」を持っていない飼い主の人も多いだろう。折りたたみ式で軽量のものなど色々な種類のものがあるので、これを機会にどれがいいか、検討してみたらどうだろうか。
ここまで読むと、ペットを飼うのはえらく大変だと尻込みしてしまう人もいるかもしれない。しかし、ペットはわたしたちに癒しや安らぎを与えてくれる唯一無二の存在だ。後で後悔しないためにも、飼育する前に、自分の生活スタイルと両立するかどうか、非常時にどういったことを備えなければならないか、じっくり考えてみて欲しい。
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